ふたり同じ色にそまれるのなら

目をとじたら、そこには黒も闇もなくて、ただ白い空間だけがあったから、俺は目を食われてしまったんだと思った。そうじゃなかったら、こんな広い空間に白が満ちている訳がないじゃないか。掌を見てみる。白い。

『俺は目を溶かしてしまったんだ』

イタリアは小さく呟いた。

『目を溶かしてしまったから、こんなに白いんだ』

不思議と怖くはなかった。ただ永遠に続く白に心をも溶かされるようか感覚を味わっただけだ。

白、白、白

世界が果てしなく白いと、自分の汚さがよく見える。イタリアは顔をしかめて体を見下ろす。嘘、偽善、きもちわるい何か。

イタリアは頭を抱えて叫んだ。もうやめてよ!!声は白に反射して跳ね返るばかり。これは夢だ。きっと夢だ。そう思わないとやっていけない。イタリアは耳をふさいでしゃがみこんだ。これ以上白にはいられたら困る。それなのに白は自分を侵食していく。醜い自分だけのこる。

俺は目を溶かしてしまったのです。
それはきっと、神の罰なのです。

白の真ん中で、イタリアはなく。自分の醜さになく。そのとき、声が聞こえた。小さいけど、確かに、あの声は、

『ドイツ…!!』

イタリアは走り出した。ドイツのところにいかなくちゃ。目が溶けても、足がもげてもいかなくちゃ。
辺りは一面白ばかり。

それでもいいよ。君と同じなら。



眠い時にどこまで話が書けるかの実験作。