今日はとてもよく晴れた日でした。
ギャロップとエコセーズ
今日は本当にいい天気で、だから、そう、出かけましょう。気の知れた友達と、仲良く空を仰ぎながら。ワクワクと踊る気持ちはカンタービレ。さぁさぁ普段のいざこざは忘れて、こんな日くらいは出かけましょう。
「おい、こら、走るな。」
「あはー。」
「二人とも待ってください!私にはリーチの差が!」
こんな日には出かけましょう。バスケットにはお菓子を詰めて、青空の下で大きくスキップ。はねる気持ちと足踏みはポルカ。そう、今日がこんなに晴れたのも、きっと何かのめぐり合わせ。だから今日を大切に。
「うわ、こけ、きゃあああ。」
「だから言っただろうがぁあああバスケットが!!!」
「私が朝から詰めたお弁当が・・・あぁあああ・・」
「日本!!気を確かに持て!!」
「いたいー。」
こんな日にはでかけませんか?バスケットには甘いお菓子とお弁当と、それから小さな思いを詰めて、それからみんなででかけませんか?青空の下でバスケットを広げて、たまには息抜きだって必要ですもの。青い空と小さな広場と友達がいれば十分でしょう。
「おいしいー。」
「まぁ、奇跡的に中身が無事だったのが・・・。」
「いい天気だからな。」
「理由になってませんよ、ドイツさん。」
「お菓子もあるんだよー。これは俺手作りー。」
「いただきましょうか。」
「あはー。」
あぁ、あぁ、今日は本当に天気がいいものですから、だからちょっと出かけたくもなるものなんです。だからみんなで出かけましょう。お弁当を食べたら散歩をして、歌でも歌って。
少しだけ小走りになる歩調はギャロップ。皆で微笑みあえばワルツ。からっぽになったバスケットには思い出を詰めて、皆で少し遠出をするのです。青空は本当に綺麗に澄んで、思い出もそう、澄んでいく。さぁ、踊ってエコセーズ。こんな晴れた日は出かけましょう。
「なんか幸せだなーぁ。」
「そうですね。幸せです。」
「また遊びたいなーぁ。」
「遊んでばかりいるわけにもいかんだろう。」
「でも、こんな日もいいものですよ。」
「まぁ、な。」
「なんで日本の意見だけ聞くのさー!!」
「まぁまぁ。」
「あ、俺いいこと思いついた!!」
未来はけして見えなくて、だから今は大切で。こんな日を無駄には出来ないのです。傾き始めた太陽を見ながら、それでも穏やかな気持ちはメヌエット。バスケットには心地よい疲れと思い出。明日からまた始まる現実はもう少しだけ置いておきましょう。だって今日はこんなにいい天気なんですもの。
「日本、右手貸して。」
「はぁ。」
「ドイツは左手―。」
「・・・なんなんだ。」
「みんなで手を繋いで・・・じゃーんぷ!!」
「っうわああ!!」
「ちょ・・・えぇええ!!」
「・・・こけましたね。」
「こけたな。」
「なにがいいことなんですか。」
「まったくだ。」
「あははははは。でも、ね、空、綺麗じゃん。」
「・・・まぁ、な。」
「そうですね。」
こんな日、は、皆で出かけるものなんです。
だってこんなに、幸せなんですもの。
「ずっと一緒にいれたらいいなぁ。」
友達みんなで見上げた空は、この上ないほど綺麗なオレンジ。あぁ、そう。
明日もきっと晴れる、でしょう。
三人でいたらきっと楽しいよ。