※背後注意
「う…く…ん」
「お前、俺が思ってるより不器用なんだな。もっと舌使えよ。」
上から響いた彼の声はじん、として俺の脳髄をかき回していくようだ。少しうるんだ視界の向こうで彼はにやにやと笑っている。最悪だ。これが最悪以外のなんだっていうんだ。
はぁ、と小さく息をついて、手のなかのモノを見てみるけれど、見たところまだまだイってはくれなさそうだ。
俺は顔をしかめる。もう嫌だ。
「も…うやめてくれよ。口が痛いんだ。」
「何いってんだよ。なんでも一人でやってきたのがお前じゃないのか?」
笑う彼の手が俺のほうに伸びてくる。やばい、と思った時には遅かった。のばされた手が下着の上あたりをなぞるように動く。ひっと自分でも情けないくらいの声。わかってる、解ってるさ。もう濡れてるってことくらい。
「…まぁ、こんなにしちゃったら、欲しくて欲しくてたまらないから口もうごかないか。」
ぐり、と下着の上から彼の指が動く。ひくり、ひくりと動く体が恨めしい。もともとどうしてこんなことになったのかも良くわからない。ただ、起きたら女になっていて、あわてた俺がわたわたしていたらイギリスがにやつきながらやってきただけだ。
そして、なぜか体がいうことをきかないだけだ。
「…っく…ぅ…いや、だ。やめて、くれ、やめてくれよ、いぎり、す。」
「へぇ、かわいげのあること言うんだな。やっぱりやってみて良かった。」
彼が何をしたのかもうわからないけれど、そんなことを考えてる暇も俺にはない。下着の中に彼の指が入ってくる。ぐりぐり、と刺激するように中へ。いたい、いたい、熱い。もうだめだ、いやだっていってるじゃないか。目の前が朦朧とする。足がかくかくと震えて膝立ちができなくなった俺は地面に座り込んだ。とたん、彼の声が響く。
「しゃぶれっていってんだろ。」
口元にモノを押しつけられて、匂いと熱さで吐き気がする。それでも舌をのばしてしまう俺はたぶんもう変態なんだ。はぁはぁと息をもらしながら、舌を出すその場所からぴちゃぴちゃと音。挿れてくれよ。呟いた俺の向こうで欲情に緑が濡れるのを見た。